ゴルフ界で、名著として歴史に残るであろう一冊
「一打の重み」を可視化して、考え方が根本から変わる本を読みました!
2014年17冊目の書評です。
ゴルフ関連の書籍は年間40~50冊読んでいますが
この3年間で最も、圧倒的に衝撃的な一冊でした!
ゴルフデータ革命 SG指標で一打の重みを可視化する
著者のマーク・ブローディさんは
コロンビア大学ビジネススクールの教授であり
自身もニューヨーク州のゴルフ場での元クラブチャンピオンの方
専門の数量ファイナンスを、ゴルフのスコア分析に応用し
今までにないゴルフの指標を打ち出し、大注目されている方です。
そして、全米ゴルフ協会ハンディキャップ調査チームのメンバーでもあります。
序文からいきなり、ショーン・フォーリーさんが登場
(タイガー・ウッズ、ジャスティン・ローズ、リー・ウェストウッド、
ハンター・メイハン、エドアルド・モリナリなど、数多くのPGAツアー選手のコーチ)
この時点から既に、ワクワクしてしまいます!!
スコアの「差」を生み出す原因を、とことん解き明かす本
この本のテーマを一言でまとめると、
スコアの「差」を生み出す原因を、とことん解き明かす本
最も回数の多いショット(=全体の40%を占めるパター)
ではなく、ゴルフで最も重要なショットとは
技量の差が最も大きいショット(=スコアの「差」を生み出すショット)
であると主張しています。
では、最もスコアの「差」を生み出すのは何なのかということを
自身が開発した【ゴルフメトリクス】のデータベースに蓄積した
10万回以上のショットデータ
+
2003年からPGAツアーで実施され記録している
【ショットリンク】と呼ばれる全ショットに関する細かな情報
(2012年までに、1000万回以上のショット情報が集まった)
という、他に類を見ないデータベースから
徹底して分析したのが、このゴルフデータ革命という本です。
※以下の文中で出てくる言葉の定義
ティーショット: ミドルホールとロングホールの1打目
ショット: 100ヤード以上のショットの内、ミドルとロングのティーショットを除いたもの
文中ではアプローチショットですが、わかりづらいのでショットとしています。
ショートゲーム: 100ヤード以内のショットの内、グリーン上のパッティングを除いたもの
以下のうち一つでも疑問に思うなら、ぜひ読んでほしい
とにかく、ゴルフのスコアに関する考え方が変わります。
以下のキーワードから一つでも
疑問に思ったり、深く知りたいと思ったのなら、間違いなく役に立ちます!
● ドライバー、ショット、ショートゲーム、パッティング
一番スコアの「差」がつくのって、どの領域なんだろう?
● パット イズ マネー って本当なの?
実は、パットよりもスコアの「差」に影響を与えるものってあるのでは?
● トッププロ、スクラッチプレイヤー、80台、90台
実力ごとの精度の違いって、具体的にどれくらいなんだろう?
自分はどこに位置しているんだろう?
● パッティングで、距離別の入る確率ってどのくらい?
プロってボコボコ入れるイメージあるけど、あれって本当なの?
● アマチュアが毎打で2球からベストボールを選び
プロは毎打で2球からワーストボールを選ぶとしたら、勝つのはどっち?
● 100ヤード以上の全ショットをPGAツアー選手が打ち
100ヤード以内の全ショット&パターをアマチュアに任せた場合と、
それを逆にしてみた場合は、どっちの方がスコアがよくなるの?
● カップまで30ヤードのラフと、80ヤードのフェアウェイなら
どちらの方が平均打数が少ないんだろう?
とにかく、目からウロコな情報の連続です!!!
一つでも疑問に思ったのなら、その部分だけを読むのでも
読む前と読んだあとでは、意識がすっごく変わることでしょう。
タイガー・ウッズが、他選手に圧倒的な差をつけていたのは?
もちろん、世界No.1 (=特に、2003年~2009年は圧倒的だった)
タイガー・ウッズ選手についても、一章を使って言及しています。
タイガーが他の選手と、圧倒的な「差」をつけていたのは
ドライバー、ショット、ショートゲーム、パッティングのうちの
ショット (特に、150ヤード以上のショット)
ショット(ミドルとロングのティーショットを除く、100ヤード以上)において
2004年~2012年の間に、ツアー全体の平均に対して
1ラウンド当たり1.28打も稼いでいた (=4日間の競技だと、5打以上!)
豪快なドライバーショットでも、ボコボコ入るイメージのあるパッティングでもなく
ショットでのスコアの「差」が圧倒的だったから
長い間世界のトップとして君臨していたんですねー。
ちなみに、同じ期間で各部門のNo.1はというと ※( )内は2位
ティーショット: ロリー・マキロイ (バッバ・ワトソン)
ショット: タイガー・ウッズ (ロバート・アレンビー)
ショートゲーム: スティーブ・ストリッカー (コリー・ペイビン)
パッティング: ルーク・ドナルド (ブラッド・ファクソン)
というデータが出ています。 うーん、とにかく奥深いっ!
トッププロとアマチュアの違いをデータから考える
そして、読み進めると疑問にぶち当たります。
PGAツアーのトッププロ同士の比較はよくわかった。
で、僕らアマチュアは、どうやったらスコアが縮まるの?
本も後半にさしかかると、この疑問についても説明があります。
プロゴルファー、80台、90台、100台 などで比較した
● ショットの精度 (距離ごとに平均どれだけ寄るか)
● パーオン率やボギーオン率
● 距離別のパッティングが入る確率 (例: 1.5mは何%、3mは何%入るか)
などなど。
そしてアマチュアがスコアを10打縮めるには、平均すると
ティーショットで2.8打、ショットで3.9打、ショートゲームで1.9打、パッティングで1.3打
スコアを縮める必要があるそうです。つまり、
100ヤード以上=全体の67%を占めている
ショートゲームが重要なのは言うまでもないのですが
ロングゲームが良くなって、はじめてスコアが良くなるっていうわけ!
手元に一冊置き、自分のゴルフの成長と比べたい一冊【まとめ】
とことん、データを分析するのが大好きな方
ゴルフのスコアを客観的に見てみたい方
とにかくこの本は衝撃的でした。ずっと手元に一冊置いておき
自分のラウンド記録と照らし合わせながら、とことん比較したいですね!
そして日本でもいつか近い将来
一打ごとの記録を簡単に入力できるアプリ
(ボタン、番手、ライを入力して、後はGPSで記録を貯めるような)
こういうものができて、パーソナルデータを蓄積できる仕組みができること。
そんな日々が来るのが待ち遠しいですね。誰か開発してくれないかなぁ~。
野球版のデータ分析と言えば、こちらが有名ですね。
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