日本史上で唯一、プロ野球とJリーグの両方で
球団社長を務めた方、藤井純一さんの著作を読みました。
稀有な経験の持ち主、藤井純一さんとは?
スポーツビジネス界に属している方
そして、これからその道を目指したいと思っている方であれば
必ずどこかでお聞きしたことのある名前のはず。
それが、藤井純一さんという方です。
日本ハム株式会社に入社後に
営業、営業企画、広告宣伝の各部署を経て
1997年: 大阪サッカークラブ株式会社(セレッソ大阪)取締役事業部長就任
2000年: 同社代表取締役社長就任
2004年: 同社社長を退任、日本ハム株式会社本社スポーツマーケティング担当部長就任
2005年: 株式会社北海道日本ハムファイターズ常務執行役員事業本部長就任
2006年: 同社代表取締役社長就任
2011年: 同社社長を退任、近畿大学経営学部経営学科特任教授に就任。
という経歴をお持ちの方で、未だかつて
Jリーグとプロ野球の両方で代表を務めた経験のある、唯一の方です。
ホントは12月にお会いするチャンスがあったんですが、
海外出張と重なり機会を逃したので
まずは本からインプットしてみることにしました。改めて整理です。
監督・選手が変わってもなぜ強い?北海道日本ハムファイターズのチーム戦略
2012年(北海道日本ハムの代表を退任後)に、出版された一冊です。
セレッソ大阪、北海道日本ハムの両クラブの代表を務めた方による
スポーツビジネスとは何か
プロスポーツチームの収入源およびその構造
スポーツビジネスのためのIT戦略
地域密着の実例
・・・
などなど、プロスポーツチームという
身近な存在であり、かつイメージしやすい媒体における
実例をまとめた一冊になっています。
「はじめに」に書かれたフレーズが、実に印象的。
~以下抜粋~
日本のスポーツビジネスの優れている点、劣っている点を知ることができ、
私なりにそれらを分析し、改善するなかで、
いくつか「気付いたこと」がありました。
それらの気付いたことを一言でいえば、
「スポーツビジネスとは、他のビジネスと何ら変わりがない」
具体例と数字が満載な、スポーツビジネスの実践本!
この本の根幹にあると感じたところ。それは
「この実例をそれぞれのフィールドで活かしてね」
という、スポーツビジネス界のリーダーから若手実務者たちへの
深い愛情、そして叱咤激励のメッセージです!
何といっても特筆すべきなのが、
実例の紹介だけでなく、数字面での記載まで具体的なこと。
ここまでぶっちゃけるんだ・・・!
ほぉー、なるほどねー。
と、思わず唸りながら読んでしまう場面に、何度も出くわします。
スポーツビジネスにおける、4つの収入源。
試合収入、放映権収入、スポンサー収入、マーチャンダイジング収入
それぞれについて、余すところなく紹介しています。
● 試合収入(チケット収入)
プレイガイドの手数料、プレミアムチケットの販売方法、
オープン戦や2軍戦での課金方法、女性向けサービス
無料チケットの効果的な配布方法(完全に廃止するのではない)
・・・などなど
● 放映権収入
番組の放映権料、30秒CMの換算方法、
ファイターズの放映権の基本戦略、放映権料金
(これらの幾つもが、具体的な金額を使って書かれてます)
・・・などなど
● スポンサー収入
6種類のスポンサーの形態
広告代理店営業と自社営業の良し悪し
スポンサーに対するケアの実例
・・・などなど
● マーチャンダイジング収入(グッズ収入)
応援グッズの年間売上と粗利のおおよそ
ユニフォーム販売
Web販売と店頭販売の活用方法
他にも、スポーツビジネスにおけるIT戦略
ファイターズの「ベースボール・オペレーション・システム」や
地域密着についてなども書かれておりますが
とくに上記の4つの収入源について
ここまでイメージしやすく書かれた本には、なかなか出会えません。
この本を読みながら、球団の収入構造や権益構造を学び
そして、そこから自分の興味ややりたいことを追及する。
プロスポーツチームの球団経営を学びたい方にとって
まさしくバイブルと言える一冊でした!
藤井純一さん、ありがとうございました。
<関連書籍はコチラ>
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