フルマラソンをもっと速く走れるようになるには、42.195kmが「短いっ!」って思えるようになればいいじゃない!?
そんな淡い期待を込めて、ウルトラマラソンを挑戦してみることにした、ふじたん(shinjifujita)です(自己ベスト:3時間27分22秒@東京マラソン2024)
初めてのフルマラソンは「東京マラソン2012」でした。
そこから13年ほど経ち、はじめてのウルトラマラソンとして「第40回サロマ湖100kmウルトラマラソン」(サロマ湖100kmウルトラマラソン2025)を完走してきました!
本記事は、サロマ湖100kmウルトラマラソンの出走レポートです。
実際のスケジュールや、100kmのなが~い道中に走りながら考えていたこと、レースを終えての気づき、前後の観光レポートなどを紹介します。
かなり自己満な記事ですが、できるかぎり「初めてサロマ湖ウルトラを走る人」にも役立つ情報を満載にした・・・はずです!
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サロマ湖100kmウルトラマラソン:大まかなスケジュール
「サロマ湖100kmウルトラマラソン」を走るには、大きく分けると「ツアー手配」と「個人手配」の2つの選択肢があります。
レース後の「観光」を何よりご褒美にしたかったので、今回はすべて「個人手配」にしました。
ツアー手配のほうが「ラク」なのですが、基本的に帰宅が「レース当日」or「翌日」に出発になるんです・・・。
せっかくなら、道東エリアもたっぷり観光したかったんですよね!
今回の大まかな旅程は以下です(本文内で、詳しい観光レポートを紹介)
なお、現地での移動はすべて「レンタカー」です(出発・返却ともに、根室中標津空港)
- 2025年6月28日:移動(羽田→根室中標津空港→北見)
- 2025年6月29日:100km走る!
- 2025年6月30日:北見→網走→知床(ウトロ)
- 2025年7月1日:知床五湖散策→羅臼→根室中標津空港→羽田
ほんとは、宿泊拠点の北見にもっとも近い「女満別空港」を利用したかったのですが・・・。
ANAの特典航空券の予約開始前に満席だったので、次点の「根室中標津空港」で手配しました。
何といっても、世界自然遺産の知床観光が楽しみ!!
レース翌日のご褒美として、ちょっと奮発して高級ホテルを予約してみました(部屋がツインなので、息子くんも一緒に旅行します)
果たして、無事に知床まで運転して辿り着けるのか・・・!?
以下、サクッと読みたい人向けです。
ショートカット
※クリックすると該当の箇所に進みます
前日のスケジュールと過ごしかた
「サロマ湖100kmウルトラマラソン」は、朝5時スタートです。
詳しくは後述しますが、レース当日は「朝1時起床」なので、いかに早く床につくかがレース前日の最大のポイント!
そして「トラベル is トラブル」ということで、想定していなかったプチトラブルがいくつも重なります。笑
5:00 起床
19時に寝るためには、19時に「眠くなる」環境が必要です。
ベッドに横になったらできるだけ睡眠できるように、出発直前の数日は、少しずつ就寝・起床時間を早めました。
ほんとは3時に起床するつもりでしたが、目覚ましをかけ忘れて5時に起床。
荷物を最終チェックしつつ、自宅からの出発準備です。
左=スタート時点で着用・持参するもの。右=54.5kmのドロップバッグ用です。
レース前半でシューズが壊れたり、気分転換のウェア交換用など、万が一のために2セット用意しました(詳しい持ち物リストは、後日別記事で紹介します)

サロマ湖ウルトラマラソンの持ち物一式
食事について考える
できれば19時には寝たい。
ここから逆算して、夕食と昼食を考えると「17時夕食→12時昼食」がベストだと考えました。
となると、道内に着く前に羽田空港でランチにしよう。
レース前日の「揚げ物」は控えめにといいますが、息子くんリクエストで「天や」の天丼です。笑
記憶ベースですが、フルマラソン以上のレース前日に初めて「揚げ物」を食べた気がします(いつもはパスタが定番)
12:35 羽田空港発
滑走路での離陸渋滞が起きて、さっそく15分ほど出発が遅れました。涙
必然的に到着も遅れます。
14:30 根室中標津空港着
羽田ー根室中標津便は「1日1便」だけです。
根室中標津空港には、ほかに札幌(丘珠)往復が2便・札幌(新千歳)往復3便のみです。
そして、すべてのレンタカー利用客が一挙に集中するので・・・、空港からレンタカー会社への送迎にめっちゃ時間がかかります。
早く荷物を受け取れた人から、順々に「整理番号」を配られるのですが、なんと10組以上待ち・・・。涙
これ、正直なところ「運ゲー」です。
確実に早く出るには「ANAステータス」を上げるか「プレミアムクラス」にするか、すべての荷物を「機内持ち込み」にするのみ。
売店2つだけの空港にで、かれこれ待つこと1時間弱。
15:45ごろに、やっとレンタカー会社を出発できました。この時点で想定より1時間遅れ・・・><
コンパクトカーの想定でしたが、スバルインプレッサで快適でした!!
17:00 ぐるっとパノラマ美幌峠
根室中標津空港から1時間ほど。
北見に向かう中間地点にある「ぐるっとパノラマ美幌峠」で小休憩です。
偶然にも、駐車場には野生のエゾシカもいました。
ここはなんと、国土交通省より毎年発表される北海道「道の駅」のランキングにおいて、景観部門で6年連続の1位を獲得した名物スポット。
「屈斜路湖」を見渡せる絶景が楽しめます!
ほんとは「美幌峠」の一番上まで登りたいんだけど、片道15分ほどかかります。
明日のレースに備えて、とにかく少しでも脚に負担をかけたくないのでガマン・・・
ここのレストランで早めの夕食も一案でしたが、16時でラストオーダーでした。涙
じゃがいも1個を丸々と揚げた、名物の「あげいも」でもぐもぐタイムを済ませて、再びドライブです。また揚げもの食べてるしww
17:45 美幌のセイコーマートで夜ご飯を買い込み
カーナビでの北見駅到着予定は「18:30」
ホテルに着いてから夜ご飯を食べると、さらに遅くなる・・・
しょうがない。
地元グルメは諦めて、途中で買って食べながら移動しよう!!
「セコマ」に立ち寄ることを決意します。
セイコーマート美幌青山店(北海道網走郡美幌町字青山北45番地の4)
偶然にも、ここの大型店舗を選んで大正解でした!!
夜ご飯とレース前の朝食をたっぷり購入して、車内でもぐもぐ食べながらホテルに向かいます。
18:30 ホテル着
知り合いのカメラマンさんとフロントで合流し、軽く談笑。
そのあとすぐにお風呂に入り、荷物を仕分け・・・
20:00 就寝!!
爆睡できなくてもいいから、とにかく目をつぶって横になろう。
典型的な夜型の息子くんにお金を渡し、「ご飯は自分でなんとかしてくれ」「25:00に起こして」と託しつつ・・・
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レース当日のスケジュール(スタートまで)
当日は朝5:00スタート。
サロマ湖は「ワンウェイ」(=スタート地点とフィニッシュ地点が異なる)のコースなので、どちらかまで「車」で行く必要があります。
今回は、フィニッシュ地点まで車で行き、そこから「送迎バス」を利用するプランです。
スタート地点に車で行く場合、「フィニッシュ地点→スタート地点」に送迎バスで戻り、スタート地点に置いた車でホテルに戻る必要があります。
フィニッシュ地点からスタート地点への送迎バスは、朝2:30~3:00ごろに出発。
フィニッシュ地点の常呂町スポーツセンターまでは、北見市街のホテルから車で1時間弱です。
1:10 起床
息子くんがしっかり起こしてくれました。
わたしが寝たあと、北見駅周辺を散策したけど何もなかったそうです。
ゴミ箱から「カップ麺」を発見して、罪悪感を感じつつ・・・
しゅん
夕方の「セコマ」がまじで当たりだったよ!! オレもあそこで夜ご飯を買えばよかった・・・
北見駅近くにも「セコマ」がありますが、ホットシェフ(=お店での作りたて)が併設されていない小型店舗です。
1:40 出発
着替えて歯を磨いて、とにかく出発します。
「ノースリーブ+アームカバー」では、意外と肌寒い・・・!
レインウェア兼用の長袖ウェアを1枚羽織りつつ、運転席に向かいます(レース中には使わなかったです)
レース3時間前に、セコマのおにぎりを1つもぐもぐ。
フィニッシュ地点の常呂町方面に向かう車が、10数台連なっておりました。もちろん対向車線には車は一切なし。
真夜中ですが、みんなで「いざ、出陣!!」な感じがワクワクします。
2:35 到着
常呂町スポーツセンターの駐車場に到着しました。
そして、ランナーさんが歩く方向に向かうと、送迎バスの行列にビビります。ざっと数百人。
これ、いったい何分かかるんだ・・・!?

サロマ湖ウルトラマラソンの送迎バスの大行列!
3:00 バスに乗車→爆睡
かれこれ15分ほど並び、乗車できました。
送迎バスは「補助席」も含めて、フル収容で向かいます。
「補助席」を使えば10分ほど早く出発できたのですが、バスの乗り心地を優先して自重しました。
とにかく体力温存したいので、乗車した瞬間におにぎり1つ食べて目をつぶります。
北海道の日の出は早く、この日は朝3:47ぐらい。
余裕がある人は、朝3:30すぎから「サロマ湖越しの日の出」が見られます。
いくつかのスマホから聞こえる「シャッター音」で起きたくなったけど、ここもガマン・・・
ちなみに「日の出」を見たい人は、バスの「右側」の窓側座席がベスポジです。
4:05 スタート地点に到着
やばい、スタートまであと1時間切ってるじゃん!!
スタート前の「ルーティン」を必死に思い出しながら、やるべきことをこなします。
- 帽子・サングラスを装着
- answer600でカロリー補給
- コンタクトレンズを装着
- 補給食をすべてランニングポーチに入れて
- 日焼け止めを塗り
・・・横にあるトイレは数十名待ち。ここはいったんスルーします。
4:35 手荷物預け完了!
スタート25分前に、すべての手荷物預けを完了しました。
お祭り感が漂う芝生エリア。
スポンサー企業のブースなど、立ち寄りたいところだらけですが、そんな余裕は・・・ないっ!!笑
4:45 スタートエリアへ
記念撮影をしたり、知り合いのカメラマンさんに声掛けしたり。
そうこうしているうちに、気づけばスタート直前です。
5:00 いよいよスタート!!
いよいよ、第40回サロマ湖100kmウルトラマラソンのスタート!!
期待と不安が交ざる感情のなかで、まずは出発します。
スタート時点の気温は20度を切るくらい。できるだけ暑くならないといいなぁ~。
ただ、何か大切なことを忘れている気がする・・・
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レースレポート(スタート~54.5km)
初ウルトラだし、いつものフルマラソン当日と比べて睡眠時間も短いし。
もはや何が起こるか、まったく予想できない!!
序盤は「スローペース」で、リズムを掴むことに全集中します。
ほんとは「初ウルトラでサブ10」を目指していましたが、スタート時点で「11時間切り」(=サブ11)に目標を切り替えました。
事前シミュレーションでは、前半50kmを「5時間10分」(キロ6分10秒ペース)が、サブ11の目安ラインです。
スタート直後:心拍数だけを意識して走ってみる
ふだんのフルマラソンでは「目指すタイム」から逆算して、最初の5kmの通過タイムを考えます。
そして、最初の1kmを通過してランナーがばらけたころからは、想定通りのペースで進みます。
その時点での「心拍数」はあまり気にしません。
実際には「心拍数」もめっちゃ気になります。
ただ、「心拍数が高すぎる=今日は調子悪いな・・・」とわかると一気にメンタルに来るので、5km過ぎまでは「ふーん」と参考程度に見ています。
今回は、心拍数が「想定を大きく上回らない」ことを最重要視しました。
ある一定のラインを超えると、ペースを落としても心拍数が下がらずどんどん疲労感が増すんですよね。
ざっくり、以下の作戦にしました(補足:平常時RPM47、最大時RPM195くらい。RPM=1分間の心拍数です)
心拍数の作戦
- 最初の5km:RPM140を超えない
- 5~10km:RPM145を超えない
- 10km以降:RPM150を超えない、あとは行けるところまで
あとは、この心拍数を保ちながら、行けるところまで進もう!!
と考えていたのですが・・・、10数回経験したフルマラソンでは起こらない「プチトラブル」が多発します。
2km:トイレ問題に悩まされるww
あ・・・
走って2kmほどで気づきました。
これはやばい!
どう考えてもトイレが近い・・・
ふだんのフルマラソンでは、レース1~2時間前に行き、前日夜から「経口補水液」を使用することで対策をしています。
そして、レース中にトイレにいくことは稀です(10回以上完走した中で、レース中に使用したのは1回だけ)
ほかのフルマラソンと同様に、サロマ湖のレース中のトイレもそれなりに混みます。
序盤のトイレは、基本的に4つ設置されており、10人ぐらい並んでます。
つまり「3回転」くらいかかります(=1人2分だとして、5分強のロスタイム)
とにかく並んでいないところ・・・
とはいえ、考えることは他のランナーさんも同じです。
5km:携帯の「充電忘れ」に気づく
ほんとは「写真を撮りながら」楽しく走ろう!
レース前も「Garmin」のフル充電を優先していたら、スタート前の準備中に「スマホ充電」を忘れてました・・・
レース序盤で、電池残量はすでに60%台。
フィニッシュの瞬間は、なんとしても写真を撮りたい!
レース中にはじめて、携帯を「電源OFF」にすることにしました。
印象的なシーンが近づいたら、そのときだけ「電源ON」にすることが、一日中繰り返されます(なので、ここから先は写真少なめです)
17km:空いているトイレを見つけた!!
結果論からいうと、序盤のトイレは「5km付近」(=スタートに戻ってきたところ)がベストでした。
10台ほど設置されており、行列の長さも他のトイレと大差ありません。
ここで「まだ早い」と自重したことで、悩ましい状況はまだまだ続きます。
とはいえ、意外と粘れるものです。笑
そうこうして1時間ほど走っていると・・・、17km付近の「三里浜観光便所」が空いてる!!
偶然にも並んでいないトイレを発見したので、ここでピットインです。
復路側にあるので、道路を横断する必要があります。
1分ほどの短いロスタイムで、レースに戻れました。
たぶん空いていたのは「偶然」です。
20kmすぎの復路で同じポイントを通過した時は、5人ほど並んでいました。
20km:調子が出てくる
お手洗いも終わり、不安も一掃されてストレスフリーに。
20km手前の折り返しまでは、左にオホーツク海、右にサロマ湖のダブル絶景が広がります。まだまだ余裕だぞ~!

100kmマラソンの序盤は、左にオホーツク海、右にサロマ湖の絶景!
20kmは2時間6分24秒(ネット)で通過(サブ11ペースからは3分ほどの遅れ)
ここからは、約5km間隔のエイドで「給食」が出てくるので、ポーチのゼリーとエイドで、およそ3km間隔でエネルギー摂取します。
参考
コース上のエイド情報サロマ湖100kmウルトラマラソン【公式】
~25km付近までは、ときどき「日陰」があります。
いかにエネルギーの消耗を防ぐかが大事なので、日陰を見つけたら真っ先に飛び込みます。
30km:水被りの頻度が増える
約27km地点で「龍宮街道」(道道656号線)に別れを告げ、次の旅路へ向かいます。
この頃には朝8時をすぎ、どんどん気温が上昇中!
湿度は本州より少し低いとはいえ、体感温度では30度近くになってきました。
どんどん汗と水分が身体から噴き出してきます。
めちゃくちゃ汗っかきな身体としては、いかに脱水を防ぐかがカギです。
サロマ湖ではありがたいことに、およそ5km刻みで「水被り」のエイドがあります。
頭から自分でひしゃくで水を被ったり、氷が残っているエリアではそのまま帽子の中に氷を詰めて、頭からぽたぽた冷たい水を垂らしながら走ります。
この「水被り」エイドは、30kmすぎからフィニッシュまでずっと重宝しました!
この日の北見エリアの最高気温は、なんと33.4度(気象庁発表)
前日よりも7度も高く、まさにサバイバルレースの様相を呈しましたね。
33km付近でカメラマンさんをみつけて、エネルギーチャージ!
42.195km:フルマラソンの距離を突破!
40kmを過ぎると、サロマ湖が広がる絶景のビュースポットです。
フルマラソンの距離を、4時間29分15秒(ネット)で通過!
この先に「サロマ湖ウルトラマラソンの記念碑」があり、自撮りを楽しむランナーさん多数います。
今回は「できるだけ脚を止めずにベストを尽くす」と決めているので、ここも通過しながら走ります。
50km:アップダウンが始まる
平坦と言われるサロマ湖ウルトラマラソンですが、大きめのアップダウンが4つあります(終盤の「ワッカ原生花園」に向かう登りも含めると5つ)
中でも、50kmすぎに高低差30mほどのアップダウンが2か所あり、ここは踏ん張りどころ!!
54.5km地点(グランディアサロマ湖)のエイドが見えてきました。
これで前半終わり!!
サブ11のためには、50kmで5時間10分切り(54.5km地点で5時間40分切り)が想定タイムでしたが、この時点で約10分ビハインドしています。
気温もすでに上がってきていますが、エネルギー切れの不安はまだまだなさそう。
この感じは悪くないぞ!!
レースレポート:54.5km~100km
54.5kmのレストステーションで、スタート前に預けた袋を受け取ります。
後半用のゼリーを全部詰め込み、冷たい飲み物とエイドの給食で栄養補給して。
座って休憩している人や収容バスを待っている人は・・・、ぜんぶ見ないフリ!!
5分ほどで抜けて、残り45.5kmのランを開始します。
「なんだ、たったのフルマラソン1本じゃん」と、自分に言い聞かせつつ。
60kmすぎ:なんだかすごく眠くなる
60kmを過ぎると、いったん国道238号線に別れを告げて「キムアネップ岬」に続く道道858号線(道道キムアネップ岬浜佐呂間線)に入ります。
ほぼ沿道に人がいない静かな空間にて、数か所の私設エイドが励ましてくれます。
両サイドを樹木に囲まれた「木のトンネル」(木陰エリア)が広がるのですが、なんだかすごく徒労感が・・・。
今考えると、(無意識に)終盤に向けて温存したくなったんでしょうね。
事前練習(ロング走)の最長距離は61km。
未知の世界に入るや否や、左脚のハムストリングが何度か攣りそうになります。
「残り距離を考えると、ここで攣るわけにはいかない・・・!」と判断し、少しペースを落としました。
そして、ふだんは発生しない箇所に肉刺(まめ)ができていることに気づきます。
左足中指の先端、右足小指の裏側・・・
「やべーな、潰したくないな・・・」
「足裏の着地位置を少し変えて、できるだけ肉刺を刺激しないようにしよう」
一歩一歩進んでいるのですが、まだまだ油断はできません。
「あぁ、これでやっとゴールできるわ!」のあの安堵感は、まだまだ実感として湧いてきません。
(実際のところ、ゴールを「バッチリ確信」できたのは、97.5kmのエイド通過後でした)
70km:フィニッシュのタイムを計算しはじめる
70km通過時点で7時間46分26秒。
レース前に目標にしていた「11時間切り」は、さすがにちょっと難しそうな状況です。
よし、11時間15分切りに切り替えよう。
とはいえ、残り30kmをキロ7分ペースか。ちょっとしんどいなぁ。
でも、なんとしても「11時間30分」は切りたい!
目標タイムを少しずつ「下方修正」しつつ、自分との闘いは続きます。
74km:人生で2度目の「天使のそうめん」で感動する
ホノルルマラソンを走ったことがある人なら、きっと知っていることでしょう。
マラソンの給食は、何より「めんつゆ」が美味しく感じることを。
28km地点「ハワイカイ」での私設エイドの「天使のそうめん」は、未だに忘れられない味です。

ホノルルマラソンで恒例の「天使のそうめん」
ふじたん
個人的には、私設エイドのベスト/ワーストは、いずれも「ホノルルマラソン」で味わいました。
ベストは「天使のそうめん」で、ワーストは「プレッツェル」です(口の中の水分がすべて奪われるww)
そしてまさかの!!
74km地点の「サロマ湖鶴雅リゾート」のエイドステーションにて、人生で2カ所目の「そうめんエイド」に出会えました!!
めんつゆの「塩分」が身体に染みわたる・・・
常呂高校の応援ボードを力に、残り25kmを走りだします。
そうだよ、このまま進めばいつか着くんだよ!笑
そして、いよいよ名物の「ワッカ原生花園」へ。
残り20kmの道のりは、だんだんとゴールに近づくゴールデンパラダイスかと思いきや、まったくそんなことありません。
80km:ワッカ原生花園の果てしない道のり
80km付近の「樹木エリア」を抜けると、待っているのは・・・
300種類以上の草花が咲く海浜植物の一大群生地「サロマ湖ワッカ原生花園」です。
ここから先は、日除けも風を遮るものも一切ありません。
両サイドに広がる絶景に感動したいところですが、はるかに疲労が上回ってきます。

サロマ湖ウルトラの終盤「ワッカ」は、やっぱり踏ん張りどころ!
エイドステーションも、なかなか近づいてきません(実際には、往復約17kmのあいだに4箇所)
手持ちの600mlのドリンクボトルをエイドのたびに「満タン」に給水して、1kmごとに水分補給しながら走ります。
折り返し付近の坂を2回上り下りすると、いよいよあと10km。
そして、この100kmのレースにおける最凶の「敵」に出くわします。
90km:温存した体力でコバンザメ走法!
わかっていたんです。
ワッカの往路の時点で「追い風」で走っていたことを。
となると当然、復路は「向かい風」です。
正面からの向かい風が直撃して、なかなかペースが上がりません。
あと10kmがとにかく遠い・・・
あたかも、ミスチルの「Tomorrow never knows」かのごとく、とにかく果てしないです。
よし、こうなったら人の力を使おう!
自分よりちょっと速いランナーさんを見つけたら、風よけとして真後ろにつきます。通称「コバンザメ走法」発動っ!
単独走のキロ7分より、真後ろについてキロ6分30秒のほうが走れる!!
前を引っ張ってもらい、少しペースが落ちたらこっちが前にでる。
2~3kmを交互に頑張り、エイドで水を浴びたり給水したりして、再び進みます。
97km:ゴールが見えた!!
ワッカを抜けると、あと2.5km。
よし、ついにゴールが見えてきた!!
手持ちのボトルの水でフィニッシュまで走り切れると確信し、最後の97.5kmのエイドは立ち寄らずに通過しました。
あぁ、長かった道のりが、もうすぐ終わるんだ・・・
4月から3か月続けたトレーニング、頑張ってやりきってよかった・・・
あと15分で完走できる安堵感ともうすぐ終わる寂しさが、交互にやってきます。
100km:フィニッシュ!!
せっかくなら「11時間22分33秒」でフィニッシュして、「いい夫婦の日」を狙っちゃう!?
残り1kmくらいまではそんなことを考えてました。
ただ、せっかくなら、最後までしっかり全力を尽くそう!
残っている力を振り絞って、ラストスパートしちゃいました。
最後のカーブを右折して、ついにフィニッシュ!!
ネット11時間21分24秒(グロス11時間23分20秒)で、第40回サロマ湖100kmウルトラマラソンを完走しました!!
途中で少しペースを落としましたが、大崩れせずに生きて帰ってきた~!!!
もっと感動するものかと思ってましたが、安堵感のほうが大きかったですね。
2025年のサロマ湖の「完走率」は58.4%(陸連登録者を除く一般ランナーだと、約55%)
まさにサバイバルレースでした。
左:グロスタイム、右:10kmごとのスプリットタイムです。
心拍数はRPM145でした。
走るときは150前後をキープし、給水+給食でちょっと減ってた感じです。
レース後:余韻に浸ってグルメを堪能
フィニッシュ地点の「常呂町スポーツセンター」は、さまざまな地元グルメを楽しめるブースでお祭りモードに。
ランナーさんは、完走メダル・タオルと合わせて「1,000円分のグルメチケット」をもらえます。
幸いにして、胃袋のコンディションも大丈夫!
「ホタテの浜焼き」と「鹿肉カレー」で栄養補給しつつ、しばらく余韻に浸ります。
大会限定のフィニッシャーTシャツの案内もあります。
こんなの、買わないわけないじゃないか!!(タイム入り/タイムなしを選べて、完走できずリベンジしたいランナーさんも購入できます)
カラーは「完走Tシャツ=ブルー系」「リベンジTシャツ=レッド系」のみです。
あぁ、本当に走り切ったんだ・・・
日が暮れる道を爆走しながら、北見駅方面に戻りました。
完全自由行動の息子くんとホテルで合流し、「回転寿司くるくる」でお祝いディナーでした。
ホテルのコインランドリーでしっかり洗濯してから就寝した自分も、ちょっと誉めてあげよう。
ふじたん
自宅に帰宅後、妻に「100km完走」よりも「しっかり洗濯したこと」を誉められました。笑
レース翌日~翌々日:道東観光をたっぷり堪能!!
レースをとにかく楽しんだので、翌日からは息子くんの「行きたい!やりたい!」を一緒に堪能します。
かなりの筋肉痛はありますが、歩くのと車の運転には支障がないレベルで一安心です。
ふじたん
息子くんに「免許を取らせよう・・・」と決意したのは、ココだけの話です。
月曜帰りではなく火曜帰りにすると、約1.5日でこれだけ観光できます。
さくっと写真メインで紹介します!(気が向いたら、詳しい記事も書きます)
朝食ビュッフェ
今回宿泊した「ホテルルートインGrand北見駅前」にて。
朝食は朝6:30~9:30なので、頑張って起床して8:30から朝食です。
JR北見駅から徒歩1分の抜群のロケーションにあり、サウナやコインランドリーも併設なので超オススメです!
能取岬
「能取岬」(のとろみさき)は、網走駅から車で20分ほどのところにある、白と黒が映える灯台です。
アイヌ語で”岬のところ”を意味する”ノッ・オロ”に由来します。
オホーツク海が広がる絶景は、時間の流れを忘れさせてくれます。
目の前にはテーブル席もあり、お弁当持参でここで食べるなんて、最高の贅沢だろうなぁ。
博物館網走監獄
網走に行くなら、ここは絶対に行くべし!!
「博物館網走監獄」は、旧網走刑務所の建築物を移築・復元した建物は、北海道開拓の歴史と過酷さを学べます。
じっくり回るなら、2~2.5時間は確保するといいです。
名物「監獄メシ」でランチも考えましたが、今回は時間が足らずに見送りました。
天に続く道
「天に続く道」は、知床斜里とウトロの中間にある、穴場の観光スポットです。
「全長約28kmのまっすぐな道」が、はるか遠くまで続きます。
この先が「天」まで続いているように見えるので、この名称なのだそうです。
ただ、かなり行きづらいので要注意です。
カーナビでの住所検索が難しいので、Googleマップでの目的地検索がいいですよ。
映えスポットとして知られており、車10台くらいを停められるスペースがあります。
KIKI知床 ナチュラルリゾートで一泊
完走後の「ご褒美ホテル」はここ!
北見から寄り道をしつつ、約3時間ほどのドライブで「KIKI知床 ナチュラルリゾート」(キキシレトコ ナチュラルリゾート)に到着しました。
網走に立ち寄らなければ、北見からウトロまでは2時間半くらいです。
オーシャンビューのお部屋に、4種類のサウナで疲労回復(男女2種類ずつあり、夜と朝で入れ替わります)
天気がいいと、部屋からオホーツク海に沈む夕焼けも見られます。
オールインクルーシブなホテルで、ディナービュッフェも地元グルメがたくさん&アルコールも飲み放題!
カーボローディングと称して、本能のままに食べすぎました。
息子くんはディナービュッフェを食べすぎて、食後にベッドで1時間くらい悶絶してたり・・・笑
(本人から掲載NGが出たので、写真は載せません)
森をコンセプトにしたラウンジも、アルコールも含むドリンク飲み放題!!(アルコールは~22:30まで)
夜遅くになると、照明を落としてじっくり耽りたくなる空間です。
朝食ビュッフェも朝からモリモリ。
6:45開始で、ゆっくり食べたければ40~50分くらいは確保をおススメします。
ある意味、これを味わいたいから息子くんを「道連れ」にしたようなものです。
完走できずに、お通夜旅行にならないでよかったぁ~。
知床五湖ガイドツアー
翌々日は「知床五湖のガイドツアー」へ。
5月10日~7月31日は「ヒグマ活動期」なので、地上遊歩道を散策するには「ガイドツアー」必須なのです。
ガイドツアーは「大ツアー」(所要時間3時間)と「小ツアー」(所要時間1.5時間)がありますが、時間があればぜったいに「大ツアー」がおすすめです!
ふじたん
ツアー序盤(=大エリアのみ通るルート)で、見どころがたくさんありました!
およそ3kmほどの道のりですが、歩くペースもゆっくりなので、レース翌々日でも支障なしでした。
歩いては立ち止まり、さまざまな自然の爪痕を説明してくれます。
ヒグマの爪痕とか(実は、木に登るときと降りるときで、爪痕の長さが違うのだそうです)
途中でエゾシカさんも見つけたり。
ドイツからの観光客も1組いたので、息子くんがガイドさんの説明の通訳を頑張っていました。
各時間帯で約10名のツアーは、間違いなく事前予約をおススメします。
朝8:00からツアーはありますが、この日の午前中の「当日受付」は朝10時台に1人分のみでした。
CHECK NOW
ガイドさんと一緒に歩かないと分からない情報だらけで、満足感いっぱい!!
(密かに)ヒグマを遠くに見られることを期待してましたが、これは次回のお楽しみということで。
道の駅知床・らうす
知床峠から羅臼方面に行き、羅臼エリアへ。
途中の休憩スポットとして「道の駅知床・らうす」に立ち寄りました。
降りた瞬間に、ウトロでは感じない「硫黄の香り」にビックリ!!
北方領土・国後島に一番近い道の駅だそうです。
12時45分ごろに到着で、売店の「おにぎり」はすべて完売。
「うにぎり」か「ホッケジャンボおにぎり」を食べたかった・・・。涙
(塩対応だったお姉さん曰く、午前10時過ぎには売り切れるそうです)
「ほっけフライバーガー」を食べましたが、正直なところセコマ(セイコーマート)の「ホットシェフのおにぎり」のほうが印象に残ってます。
レンタカー返却&根室中標津空港
ギリギリまで「道東観光」を満喫して、出発50分前にレンタカーを返却。
根室中標津空港では、出発の瞬間を空港内のみなさんが見送ってくれました。これ、また来たくなっちゃうじゃん!!
サロマ湖100kmウルトラマラソン&3泊4日の道東ツアー。
やっぱりレース翌日帰りではなく、翌々日帰りにして正解でした!!
それにしてもあっという間だったーーー。
まとめ:サロマ湖100kmウルトラマラソン、めっちゃ楽しかった!!
ここまで長文をお読みくださり、ありがとうございました!
初めてのウルトラマラソン(サロマ湖100kmウルトラマラソン2025)は、とてもいい経験になりました。
やっぱり何事も、チャレンジしてみないと気づけないことがたくさんありますね。
ほんとは密かに、初ウルトラでサブ10(=10時間切り)を目指していたのですが、残念ながらまだまだ実力不足でした。
「フルマラソンで3時間20分切りの走力」+「当日の天候・身体のコンディション」がばっちりかみ合うことで、やっと挑戦できる舞台なんだと体感できたことも、実にいい学びです。
ふじたん
ギリギリでサブ3.5のランナーでは、当日の気温が相当低くならないと「サロマ湖でサブ10」は厳しいでしょうね(=サブ3.5ランナーの個人的な見解です)
またウルトラマラソンを走るかは・・・、正直わかりません。笑
とはいえ、長距離をもっと速く走れるようになりたいし、道東エリアも観光し足りない!
新たに目指すべき目標ができたことが、何よりの収穫です。
息子くん、応援&道中の話し相手になってくれてありがとう。
自由気ままなレースの旅に、快く(?)送り出してくれた妻もありがとう。
もうしばらく脚を休めつつ、サロマ湖ウルトラマラソン関連の記事を気ままにアップ予定です。
随時更新&リンク記事を紹介しますね(^^)