横浜マラソン2015まで、あと5か月弱。まずはとことん座学でお勉強、その4冊目に突入しました!
今回は有森裕子さんから学びます。
もくじ
フルマラソンで4時間を切る! 有森裕子のマラソンブック
今回紹介するのは、有森裕子のマラソンブック フルマラソンで4時間を切る!という本です。
有森裕子選手といえば、誰もが知っている有名ランナー。
1992年バルセロナ五輪で銀、1996年アトランタ五輪で銅と2大会連続でメダルを獲得。今でもオリンピックの陸上競技で、複数メダルを獲得した唯一の日本人という選手です。
有森選手の自伝+トレーニング方法がわかる本
マラソン本に限らず、1つの同じテーマの本を何冊も集中して読むと、本の構成や特徴がつかめたり「あぁ、この本でも同じこと言っていたなぁ」という原則がわかったりしますよね。
この本で特徴的なのは、有森裕子という選手の魅力と内容が詰まっている こと。簡単に章だてを紹介すると
- 1章:有森裕子選手の自伝のような形式でマラソンの魅力をお届け
- 2~4章:シューズやウェア、そしてサブ4を目指す走り方などを紹介
- 5章:ここが実に面白い。メダルを獲るに至った自身のトレーニングについて、詳しく知ることができます。
巻末には、有森裕子選手が走ったことのある「大好きな市民マラソン大会ベスト10」の紹介も掲載。
マラソンというスポーツが好きになると、日本中だけでなく旅行しながら海外の市民マラソンにも出るのもいいなぁ~。そんな妄想を掻き立てられる一冊です。
有森選手は、肉体的な苦痛に耐える力がずば抜けている
この著作でも、監督であった小出義雄監督の著作(小出ランニングアカデミー)でも共通して語られていることが
- 有森選手の評価は、肉体的には速く走る才能を持っていなかった
では何故、その選手がオリンピックで2つのメダルを獲得するに至ったのか。同年代のライバル選手でもあった、山下佐知子選手のコメントに凝縮されています。
「ペタペタとゴキブリのように地を這うような感じで走る。
一般的な才能はないと思うが、肉体的な苦痛に耐える力はずば抜けたものがある」
とにかく、肉体的な苦痛に耐える。それ以上に、精神面でも苦痛に耐える。そんな姿や考えが、本の随所に出てきます(特に前半の自伝部分)そして中でも特に印象に残った言葉は、
我慢していると思っているうちは、まだまだ本物じゃない
優勝の文字はなぜか優しいと書く。 本当に強い勝者は優しい心を持っている(高石ともやさんの、「君はランナー」という歌の1フレーズだそうです)
ゴールしたあとは、体が炎症を起こしているので、できたらすぐに水風呂で半身浴をする。(冬場で寒いときなら、足だけでも水につけたり)
今日練習で全力が出せなかったら、試合でも全力で走れないと思って頑張りました。
とにかく、一つ一つのメッセージが、熱いというよりも重くて濃い。そしてストイック。
このストイックさだけでなく、理論面でもものすごく参考になった考え方がありました。
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30キロ以降の「失速率」を計算に入れたレースペース
この「失速率」という考え方、マラソン関連書籍は数十冊読みましたが、実は他の本には全く書いてありません。
フルマラソンを最後まで同じペースで走り続けるのは実に大変。それなら、最初から失速することを想定してレースペースを考えよう!という考えです。
この計算によると、サブ4、30キロを過ぎてから20%のペースダウンがあるとすれば「1キロ5分20秒、5キロ26分40秒、10キロ53分20秒」のペースで走らなければなりません。
試しに、必要なレースペースの算出表をつくってみました。30キロ以降の失速率20%、10%の2パターンでまとめています。
つまり、サブ4を目指す場合、失速率10%だとしても、30キロをキロ5分30秒ペースで走るのが必要なんですねー。ふむふむ。
全く失速しないのであれば、キロ5分40秒ペースでサブ4を達成できます。ただその場合は、30キロ以降で1.5%(キロ5秒)失速しただけで、4時間を超えるんです。言われてみれば、ものすごく納得な考え方!
ただ走るだけでなく、選手の立場からのマラソンを知り、更には、有森裕子選手の魅力やストイックさ(執念)が伝わってくる。そんな気持ちにさせてくれる一冊でした!
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